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Posted on 2015-01-19
飛行機と海
写真家でHASM会員の青木勝さんが、一般財団法人環境イノベーション情報機構の『環境さんぽ道』(No.037)で飛行機にまつわるエッセーを3回予定で掲載しておりますので、ご紹介します。
ぜひ、御覧ください。
ぼくは、飛行機の魅力に取りつかれて、かれこれ40年以上、飽きもせずに飛行機を撮り続けてきました。飛行機の魅力とは、おおまかにいって精神的なものと見た目の二つが挙げられます。
今や日常的な乗り物と化していますが、おそらく人類誕生後、まもなく発生したであろう、鳥のように空を飛びたいという夢のような願望、それが20世紀になってついに実現したのが飛行機なのです。ここに至るまでの命がけの挑戦の数々や、尽きることなく継承されてきた空への情熱……。飛行機を見るたびに胸が熱くなり、20世紀に生まれた幸せに酔いしれるのも当然ではありませんか。
そしてもう一つの見た目の魅力、これはいまさらいうまでもないでしょう。性能を追求した結果生まれた極限のスタイルの美しさ、引力に逆らい風の揚力を利用して飛ぶ、複雑巧妙なメカニズムの荘厳さ。
離陸の瞬間や、大空の雲間をイルカや魚のように自由に飛び回る姿の美しさは、たとえようがありません。大事なことを忘れていました。飛行機に搭乗し、あるいは自ら操縦して空を飛ぶ快感も、一度取りつかれたらもう逃れることのできない魅力のひとつです。そんなわけで、気がついたら40年もの時を経ていたという次第です。
ところで、ぼくは飛行機と共に海の写真を相当な枚数撮っています。実際に海を被写体として撮ってもいますが(それについては、次回に詳しく書きます)、飛行機主体の写真の背景に海が多いのです。なぜかといいますと、日本の空港の相当数が、海に面して造られているのです。島国ですから当然なのですが、したがって、飛行機の離着陸を撮るとかなりの確率で、背景が海になります。
最も足繁く通って飛行機を撮影している羽田空港は、まさに海の上にあるといってもいい空港で、飛行機の撮影に出かけるたびに、ぼくは飛行機と共に海も眺めて、そのたたずまいというか、季節や時間ごとの表情の変化に触れ、飛行機のドラマの重要な要素として、海の美しさもさまざまなかたちで写しこんできたのです。
続きはこちらまで。
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