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Posted on 2015-06-07
世界の海、日本の海
前回に続き、写真家でHASM会員の青木勝さんが、一般財団法人環境イノベーション情報機構の『環境さんぽ道』(No.041)で海にまつわるエッセーを掲載しておりますので、ご紹介します。
ぜひ、お読みください。
飛行機を専門に写真を撮り続けてきたぼくですが、もちろん、それ以外にも他の乗り物やスポーツ、科学関係の取材など仕事でいろいろな写真を撮ってきました。そんななかで、飛行機の次にぼくを魅了したのは豪華客船飛鳥です。縁があって、飛鳥に乗船して世界一周をする仕事に出会い、客船の素晴らしさに目覚めてしまいしました。
20世紀に誕生したばかりのスピードが命の飛行機と、はるか大昔から人類が器用に利用してきた優雅にゆったり海を渡る船。真逆といえば、そういえるかもしれないこの二つの乗り物、それぞれに語りつくせない個性と測りがたい魅力があって、興味が尽きません。
そして、船上からぼくは海の美しさにもまた、こころをうたれたのです。飛鳥は、港に停泊する以外は連日航海。360度、周囲は海です。見渡す限り、海以外に何もない世界です。この爽快さ、快適さは、空を飛ぶ飛行機以上のものがあります。飛行機は、密閉された室内の小さな窓からしか空を見ることができませんが、船ではデッキに出れば、とくに屋上デッキに上がれば、海を渡る風を全身に浴びながら、360度の海を自由に見渡すことができるのです。
何より強調したいのは、海の色の美しさです。地球上の海はひとつなのに、それぞれの地域によって太陽光線や海の成分の変化や地形や気象状況などで、表情と色合いがさまざまに違ってくるのです。
ところてんと化したベタ凪のインド洋の深く硬い群青色。モルジブやタヒチの島々を取り囲む、瑠璃色と水色とターコイズブルーなどの、音楽のような微妙で繊細な青色のハーモニーを奏でるサンゴ礁の海。そして、極め付きは、天地創造の瞬間に立ち会っているような錯覚を覚えるほど荘厳な朝日と夕陽の光景です。この美しさを、なんとかつかみ取ろうと、その都度夢中になって撮影したものです。
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